編集部公式ライターのアスカでございます。
映画『日本のいちばん長い日』(8月8日公開)のレッドカーペットセレモニー&完成披露試写会と舞台挨拶が終戦記念日のちょうど1ヵ月前となる2015年7月15日に開催されました。
会場となった丸の内ピカデリーでは特設会場が設けられ、レッドカーペットには役所広司さん、本木雅弘さん、松坂桃李さん、原田眞人監督の姿が。集まったファンからの黄色い声援が聞かれるなか、セレモニーではフォトセッションが行われました。
富山、山梨、徳島、高知でも上映してほしい!
そのまま劇場内のスクリーンへと場所を移し、満員の観客が待つ中で完成披露試写会の前に舞台挨拶が行われました。
挨拶では原田眞人監督が
「この作品は上映される映画館の数が『駆込み女と駆出し男』よりも少ないんですよ。しかも、4つの県については上映する映画館が1つもない。富山、山梨、徳島、高知。その土地の人は映画館に抗議の電話を掛けてください!」
と、終戦70周年にこの作品を多くの人に観てもらいたい想いをあらわにしていました。今からでも間に合うと思いますから、ぜひその4県には『日本のいちばん長い日』を上映してもらいたいです!
–{2回目に観たときがピーク}–
本木「2回目に観たときがピーク」/松坂「3回くらい観たら」
続いて、戦時中の陸軍トップである阿南惟幾(あなみこれちか)を演じた役所広司さんは作品の見どころについて聞かれると、
「ずいぶん前に映画化されていましたが、原田監督が演出し、昭和天皇が堂々と登場人物として登場し、本木さんが素晴らしい昭和天皇を演じている。映画の物語で昭和天皇を見られるのはほとんどないと思いますので、これが見どころといえば見どころでしょうね。」
役所さんのこの言葉を受けて、昭和天皇を演じた本木雅弘さんは
「実際の私は昭和天皇とはギャップがあり、相当の鈍さのある人間ですので、非常に恥ずかしいです。この映画は2回目に観たときがピークです。最初は感覚的に観て、2回目は鮮やかにいろいろなものが掴めると思います。映画の中で(鈴木貫太郎首相を演じる)山崎努さんが・・・(中略)あ、ネタバレになっちゃいますね(笑)」
と、これから本編を観る観客を前に危うくネタバレ寸前のトークも!やはり、まだ観ていないお客さんの前で見どころを述べるのはかなり大変だったのかもしれません。
本土決戦なしに終戦することへ反対し、クーデターを計画する畑中健二を演じる松坂桃李さんは
「おそらく3回くらい観たらより深いところがわかってくるんじゃないかと思います(笑)」
と、本木さんの「2回目」にかぶせるトーク力をみせた松坂さん。会場は笑いにつつまれていましたよ!
原田監督「樹木希林さんから学んだ」
原田監督についての印象を質問された本木さんは
「良い意味で自由と責任の与え方がとても上手だと思いました。この作品には250名もキャストがいる中でそれぞれに与えられたセリフがあるが、すぐその場でオーディションが始まってしまう。エキストラにも、ちょっとあなたそのセリフ言ってみて、とすぐに役が変わったりライブ感があった。」
とのことで、原田監督は現場を見て判断するようです。
「それは樹木(希林)さんから学んだ方式です(笑)」
と、同監督の『駆込み女と駆出し男』で出演した樹木希林さんのやり方を参考にしたことを明らかにしていました。
また、原田監督の作品に初出演した松坂さんは、作品ができあがったあとに観て感動したことがあるそうです。
「海外の映画のように先に名前が出てくるのが嬉しいなと思いました。そうそうたる先輩の中に自分の名前が浮かび上がってきたのが嬉しかった。」
と、エンドロールだけでなく、作品の最初に出演者の名前が出てきたことに感動したんだとか!確かに、邦画では序盤に名前が出てくる作品って少ないかもしれませんね〜。
–{こんな時代だからこそ観てほしい作品}–
こんな時代だからこそ観てほしい作品
今年が戦後70年を迎えるにあたって、改めて戦争について思うことを尋ねられた原田監督は
「戦争経験者がどんどん亡くなっていくなかで、戦争にまったく興味がない世代がいたりするが、ここ最近の政治であるように(安全保障関連法案の採決など)もう1度戦争が見直されて、タイミングとしてはいいタイミングになった。この映画に歴史的な価値を感じています。」
と国民に対して改めて戦争というものを見つけ直すきっかけとして『日本のいちばん長い日』を観てほしいという想いを発していました。
最後に、役所広司さんは
「この物語には戦闘シーンはありませんが、広島と長崎に原爆が落ち、兵士たちが飢えと苦しみに耐えるバックボーン(背景)がある。この映画を観てそういったバックボーンを感じてほしいです。ほんと、戦争ってヤだな〜と思います。どうぞ最後まで楽しんで観てください。」
と、観客に向けてメッセージを送っていました。
『日本のいちばん長い日』は苦しい戦争のさなかで昭和天皇が日本の将来をどう思っていたのかがわかる作品です。戦後70年を迎えるにあたり、筆者も含め戦争を経験していない世代の人間は平和とは何かを改めて考える必要があると思います。この作品はそのきっかけになるかもしれません。
日本にとって太平洋戦争の戦況が悪化する中、本土決戦かそれとも降伏するのか、苦渋の決断を強いられる昭和天皇と周りの大人たちにいったいどんな緊迫したやり取りがあったのでしょうか。原作は綿密な取材に基づいて書かれた半藤一利さんのノンフィクション作品「日本のいちばん長い日 決定版」。本作では原田眞人監督自身が脚本を手掛けています。戦後70周年を迎える2015年、終戦記念日の前週8月8日(金)に公開となります。
(取材:アスカ)
(C)2015「日本のいちばん長い日」製作委員会
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