はじめましての方もそうでない方もこんにちは。
MX4D初体験に大コーフン!
八雲ふみねです。
ほんと、スゴかったんです。
MX4Dと女子高生。
…というコトで。
八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.23
今回は。
女子高生と一緒に観る、映画『極道大戦争』MX4D上映会の模様をお届けします。
『極道大戦争』と「MX4D」と「女子高生」。
一体、どういうつながり???
そう思うのも無理はありません。
『極道大戦争』とは、ヴァンパイアのヤクザに噛みつかれた人間が次々とヤクザ化してしまう…という、奇想天外な極道ヴァンパイア映画。
バイオレンス、コメディー、ドラマなど多彩なジャンルの作品を手掛けてきた鬼才、三池崇史監督による完全オリジナルストーリー。
主演は、本作のために自ら肉体改造を行って本格的なアクションに挑んだ市原隼人。
ヒロイン役には、大人の色気が漂う女優へと成長した成海璃子。
ほか、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔、渋川清彦、優希美青、ピエール瀧、でんでん…と、私的には「現代の日活オールスターズ」とも呼べる、ナイスなキャスティング。
さらに、インドネシア映画『ザ・レイド』のヤヤン・ルヒアンが参戦と、バイオレンス・アクション好きのハートをガッチリ掴んでます!
「低予算、早撮り」といった日本映画の制作現場につきまとう悪条件を逆手に取り、怪作を生み出してきた三池崇史監督。
『DEAD OR ALIVE』シリーズや『殺し屋1』、『極道恐怖大劇場 牛頭』が、いい意味で映画人生のトラウマになっている私にとっては、
こんな三池監督作品が観たかった!
…と、感涙ものの快心作なのです。
–{三池崇史 × 女子高生。奇跡のコラボが実現?!}–
そんな『極道大戦争』のMX4D版が完成。
3D映画を超えるアトラクション型4Dシアターとして注目を集める「MediaMation MX4D」、通称、MX4D。
映像に合わせて客席のシートが動く他、風やミスト、香り、ストロボ、煙、さらには首元や足元への振動など11種類の特殊効果を駆使し、「アトラクション型の映画鑑賞スタイル」を実現する“体感型”システムで、6月26日からTOHOシネマズ新宿とTOHOシネマズ六本木ヒルズで本格稼働します。
これまで、MX4Dで楽しめる映画と言えば洋画大作に限られていましたが、「派手なアクションシーンが多い」という理由から、『極道大戦争』が邦画として初めてMX4D版で上映されることになりました。
実は三池監督、ずっと以前から「この映画を女子高生に観てほしい」と熱望していたそう。
それなら、映画製作者も主演俳優もメディア関係者も女子高生も、みんなで一緒にMX4D版を体感しちゃおう!
…というのが、このイベントの主旨なワケ。
なんでもアリの本作ならではの発想ですなぁ〜。
こういうお祭りイベント、大好きですっ。
随分と説明が長くなってしまいましたが、TOHOシネマズ新宿で開催された映画『極道大戦争』MX4D版完成上映会、こんなカンジでした〜。
まずは上映前にご挨拶。
主人公・影山役の市原隼人さん。
イケメンな市原さんの登場に、女子高生たちからは黄色い歓声が…。
「アクションシーンはもちろんですが、ヤクザヴァンパイアに噛まれるシーンがどんな風になっているか楽しみ」と、早くも期待大の様子。
「最初にMX4D化の話を聞いたときには、(配給の)日活、大丈夫?と思った」と、マスコミの笑いを誘う、三池崇史監督。
「上映中の特殊効果については、僕らが直接ディレクションするわけではないので、作品にどんなプラスを組み込んでくれるのか楽しみ」と、笑顔。
集まった女子高生の皆さんに4Dシアターを体験したことがあるか聞いてみたトコロ、数人から手が挙がりました。
参考までに作品名を聞いてみると…。
「4DXで『ベイマックス』観ました〜」と、いかにも女子高生らしいお答え。
それを聞いた三池監督。
「ほらね!ヤクザやヴァンパイアが出てくる映画なんて観ないよね…」と、ちょっぴり自虐発言。
しかし「これまで触れたことがないような世界観の映画だろうけど、きっと楽しんでもらえると思う」と、自信のほどもチラリ。
–{初めてのMX4D体験、いかに?}–
取材エリアに集まったメディア関係者も映画製作関係者も、みんな揃って客席に移動。
もちろん、司会を務める私もMX4Dシートに。
さぁ、いよいよ上映スタートです!
さて、八雲ふみね初のMX4D体験は…。
いやぁ、すごいですね。
4DXと比べてみても、振動、風、ミストの噴射量など、すべてにおいてMX4Dの方が手加減知らずでダイナミックな印象。
ヴァンパイアに噛まれるシーンでは首元に風が吹いたり、腰に蹴りが入るシーンではシートの腰部分が振動したりと臨場感たっぷり。
シートは常に振動しているわけではないのですが、動きが映像と絶妙にリンクしているんです。
この「映像とリンク」という部分がとても効果的で、アトラクション的要素に走りすぎることなく、作品の持つテーマをきちんと伝えることにも一役買っているんですね。
だから、迫力あるアクションシーンは、より力強く。
三池作品ならではの「お遊び」がふんだんに盛り込まれたシーンは、デフォルメされてより滑稽に。
2Dで見たとき以上に、本作の真髄までたっぷり堪能することが出来ました!
さて、三池監督、市原隼人さんの感想は…?
「自分で作っておきながら、面白かった」と、ニンマリする三池監督。
「映画を観るって楽しいなぁ〜と、改めて思いました」と、笑顔の市原さん。
お二人ともよぉ〜く知り尽くした映画にもかかわらず、心底楽しめた様子。
そして気になる女子高生の反応。
上映中から
「ヤバい!」「衝撃!!!」というリアクションの連発は、お二人の目にはどう映ったのでしょうか…。
「みんな登場人物の身辺をずいぶん気にしてくれて…」と、思い出し笑いをする三池監督。
女子高生たちの素直な反応に、手応えを感じたようです。
うんうん、確かに。
「あっ、危ない!」
とか
「もぉ〜、ここで出てきちゃダメだってば〜!!!」
とか、
登場人物たちがピンチに陥るたびに、わいわい、キャーキャー。
その一挙手一投足に、三池監督も市原さんも大爆笑だったそう。
「映画観ながら、こんなに笑ったのは初めて」という市原さんの言葉にも納得。
非日常的な映画の世界にスルリと入り込んでしまえるのも、MX4Dの魅力なのでしょうね。
この日会場に集まった女子高生は、ほとんど全員、本作のようなバイオレンス映画を観るのは初めて。
そんな彼女たちに向かって、
「世の中にはいろんな映画があって、君たちが出会ったことがないような映画もたくさんある。この映画を観て「面白かった」と感じてもらえたように、自分が知らない世界観の映画でも楽しめるものはきっとあるから、いろんな映画を観てほしい」と、三池監督。
「この映画は現代の映画業界に対するメッセージとして作られた挑戦的な映画。なので、皆さんも挑戦することを忘れず、すてきな人生を送って下さい」と、市原さん。
お二人からのオトコマエなアツいメッセージは、女子高生たちの心に強く響いたようでした。
–{4Dシアター体験が映画鑑賞にもたらす可能性とは…。}–
これはあくまでも私見ですが…。
インターネット上のユーザーレビューが発達した昨今、「他人が観て面白いと言ってるから映画館に足を運ぶ」という傾向が増えてきているように感じます。
まぁ、それも仕方がないのかなぁ〜。
だって、ぶっちゃけ映画館の料金って決して安くはないし。
ましてや学生となると、限られたお小遣いの中でセレクトするわけですから。
「つまらない」と思う映画には出来るだけ出会いたくないもんね…。
でもいちばん大切なコトは、面白いか面白くないか、自分の感性で判断することなんじゃないかと、私は思います。
大好きな映画で4D体験するのもアリ。
一度も観たことがないようなタイプの作品だけど、4D体験をきっかけに、これまで知らなかった世界の扉を開けてみるのは、もっとアリ!
『極道大戦争』という作品が持つイメージからはほど遠いターゲット層のように感じる女子高生たちが、MX4Dを通じてこの作品に出会い、これまで出会ったことがないような衝撃を味わっている。
コレってある意味、すごいコトだと思うんですよ。
映画館で映画を観る。
その可能性の広がりを強く感じた上映会となりました。
ちなみに。
この日、私にとって最大の笑いのツボは、三池崇史監督。
ミストが発射する直前、メガネを外してミストを浴びる準備を整えてました。
さすが、監督。
カット割りを熟知してらっしゃいますね。
それではまた次回、お会いしましょう。
お相手は八雲ふみねでした。
極道大戦争
2015年6月20日からTOHOシネマズ新宿ほか全国公開
MX4D版は、TOHOシネマズ ららぽーと富士見で上映中。
TOHOシネマズ新宿、TOHOシネマズ六本木ヒルズで6月26日から上映。
監督:三池崇史
出演:市原隼人、成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔、渋川清彦、優希美青、ピエール瀧、でんでん、ヤヤン・ルヒアン ほか
©2015「極道大戦争」製作委員会
八雲ふみね fumine yakumo
大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。