古くからの街並みを今に残す古都・鎌倉。潮風が包む鎌倉の街には、老若男女問わず多くの観光客が年間を通じて訪れます。
そんな鎌倉の街に、多くの映画ファンが訪れる場所があります。それが『鎌倉市川喜多映画記念館』です。
こちらの施設は、生涯、映画を愛し、映画に情熱を燃やした故・川喜多かしこさんが「東洋と西洋の文化と友情の架け橋になりたい」と強く望み「映画を通じて、日本人の風俗や人情を外国の人々に理解して貰おう」という願いのひとつの形として設立されたもの。
川喜多長政とともに住んでいた旧宅を改装し、映画記念館として開館されたもの。美しき鎌倉の情景とともにゆるやかに時間が流れ、四季折々の景色を映し出しています。
鎌倉市川喜多映画記念館では、様々な展示企画を催していて、現在、開催されているのが、シネマズでもお馴染みの写真家・早田雄二さんの展示企画『写真家 早田雄二の世界 ～華麗なる映画スターたち～』です。
写真家・早田雄二さんは、実兄・橘弘一郎氏の主宰する『映画世界社』でその経歴を開始し、またたく間に芸能人ポートレート撮影の第一人者となった人物。特に『女性専科』と称されたように、スター女優からの信任には絶大なものがありました。
–{早田雄二による美しき写真たち}–
今回の展示企画は、2016年に生誕100年を迎える早田雄二さんのとらえた数々のポートレートから、女優を中心に70余名を紹介するもの。
実際に展示されている写真を目の当たりにすると、非常に力強さがあり、現在はこうした写真などをPCやスマホなど画面を通してみることが多い中、実際にプリントされたものがもつパワーに圧倒されてしまいました。
館内には、大小様々な早田雄二さんが撮影してきた芸能人のポートレイトが展開されています。大きな写真以外も、時代を飾った銀幕スター達の数々の写真は、時を越えて現在でも思わず声を失うほどの美を秘めています。
さらに早田雄二さんの貴重な縁の品などの展示も。淀川長治さんと早田雄二さんの貴重なオフショットと、当時の映画雑誌『スタア』が展示されていました。
–{貴重なフィルムの映写機}–
鎌倉市川喜多映画記念館ではフィルムでの上映イベントも実施
鎌倉市川喜多映画記念館は、今回の早田雄二さんの企画展のような展示企画以外にも、併設された映画上映施設にて、上映イベントを定期的に開催しています。
様々な女優さんなどを直接お招きして、当時の貴重なお話などを、近い距離で直接聞くことが出来るものなど、映画ファンにとって貴重なイベントなどが催されています。
こちらの上映施設の特徴のひとつが、現在希少になったフィルムでの上映。
今回特別に映写室内に入らせていただきましたが、フィルムの映写機が丁寧にメンテンナスされていました。現在もフィルムでの撮影にこだわる監督が多くいるように、その独特の風合いとフィルムならではのダイナミックな映像は、大変貴重です。
川喜多長政・かしこ夫妻の縁の品などの常設展示も見どころ
さらに施設内には川喜多長政・かしこ夫妻の思い出の品や写真などの展示もあります。
館内には、その他にも映画に関する様々な資料や展示が展開され、映画ファンにとっては一度は訪れておきたい内容が盛り沢山となっています。
早田雄二さんの展示企画は2015年6月28日まで実施されています。美しき写真と、鎌倉市川喜多記念館に流れる静かな時間、そして鎌倉の街並みを観光とともに訪れてみてはいかがでしょうか。
写真家 早田雄二の世界 ～華麗なる映画スターたち～
開催：2015年6月28日まで
場所：鎌倉市川喜多映画記念館（神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目2−12）JR鎌倉駅・江ノ電鎌倉駅 東口下車・徒歩８分
開館時間：9:00〜17:00
休館日：月曜日（月曜日が休日の場合は翌平日）
入場料：一般200円 小・中学生100円
鎌倉市川喜多映画記念館ウェブサイト
（取材・黒宮丈治）
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