新宿ピカデリーは2008年開業の新しい映画館(シネマ・コンプレックス)ですが、もともとこの地には1958年開業の『新宿松竹会館』という映画館がありました。1958年は昭和33年。シネマズの読者のみなさんでも生まれてない方も少なくないのではないかと想像してしまいます。
その新宿松竹会館が出来て5年後の1963年に開業した新宿の食事処が『アカシア』。エビフライやハンバーグといった洋食のメニューの中でも、今回は50年以上の間守り続けてきたと言われている”ロールキャベツシチュー”を食べに訪れました。場所は新宿の『スタジオアルタ』の裏口を出て徒歩10秒くらい。
ロールキャベツを頂く
何といってもアカシアさんのお勧めは創業以来続いているロールキャベツシチューですね。それにカキフライ、ご飯を合わせたメニューを注文しました。お値段は1470円。
ほどなくして出てきたのがご飯とロールキャベツシチューです。カキフライとのセットでしたのでロールキャベツは1個ですが、数は調整できます。大きさは名刺入れくらいでしょうか。
楕円の器にシチューのスープが注がれ、そこにロールキャベツが見えています。海にぽっかり浮かんでいる小島のようでもあります。ロールキャベツにシチューのスープをかけているというよりは「シチューの具がロールキャベツだ」ということなのでしょうか。一般的なシチューの具はありませんが、これだけでごはんが何倍もいけそうです。
ロールキャベツはとてもつやつやしています。スプーンの端で簡単にカットできてしまうほど、キャベツが柔らかく煮込まれていて、カットするとシチューに肉汁が出ていくのが分かるのです。ああ、かぶりついて肉汁を味わえばよかった…。キャベツもお肉もアツアツでボリュームもしっかりしています。初めて行かれるのであれば、このロールキャベツが2個入っている『ロールキャベツシチュー定食』(820円)で存分に堪能するのもお勧めです。
濃厚でありつつも塩味が抑えめな美味しいシチューでした。できればこのシチューにご飯を入れて食べてしまいたい。もしくは、ごはんにシチューをかけて食べてしまいたい。ほかのお客さんが居なかったらやっていたかもしれません(笑)
–{ロールキャベツ以外も…}–
カキフライもボリューム十分
カキフライはロールキャベツを食べている途中に出てきました。大き目の粒が5つ、キャベツとスパゲティのサラダ風なつけあわせもあります。カキフライは、衣は薄めでサクサク。ジューシーで食べ応え十分でしたよ。マヨネーズでもソースでも美味しい味わいでした。
「懐かしさ」を味わう
自分が経験したことがなくても、なぜか「懐かしい」と思ってしまう景色があるものです。アカシアはそんなことを感じてしまいそうな外観のお店。
お店全体は木目調。ゆったりとしたサイズのテーブルに静かな曲が流れる店内で、新宿東口に居ることを忘れてしまいそうな落ち着きがあります。椅子の背もたれにかけられているカバーも、懐かしさがにじみ出ていますね。
1階は41席で喫煙化、2階は16席で禁煙席です。タバコの苦手な方も安心して入れます。
メニューは俗に『洋食屋』と言われるお店のものが中心です。代表メニュー『ロールキャベツ』に他のおかずが追加されているものはどれも魅力的です。
ハンバーグ・クリームコロッケ・ミンチカツがそれぞれ組み合わさったメニューがありますね。
普通の洋食屋さんらしいエビフライのようなメニューも。
ロールキャベツの重要ポイントであるシチューですが、こういう単品のシチューがあります。それ単独でメニューになるようなスープがロールキャベツに入っているなんて!
ほっと安心できる
先ほども書きましたが、場所はスタジオアルタの裏口から出て10秒くらいのところにあります。常に何かが移り変わっていそうなこのエリアで長年味を守り続けてくれているお店があるのは安心感があり、ほっとする場所です。
新宿ピカデリーの帰り道にもちょうど良いロケーション。新宿のど真ん中で落ち着いた食事を楽しんでみるのもオツではないでしょうか。
洋食屋アカシア 新宿本店
住所:東京都新宿区新宿3-22-10
時間:10:00〜22:30(LO)
定休日:不定休ですが火曜日休みが多め
(文・写真/奥野大児)
関連リンク
揚げ具合はミディアムウェル。老舗とんかつを新宿で味わう『とんかつ王ろじ』
豊洲のオススメ!激ウマピザ「TRATTORIA BOSSO」の遅いランチを狙え!
『私立探偵 濱マイク』のロケ地から見る、変わる横浜と変わらない横浜
鬼平、梅安、小兵衛…。故・池波正太郎さんが名キャラクターを生み出した書斎を訪れた